恋をすると、ふとした時に心に飛び込んできた歌が忘れら
れなくなるよね。
彼への気持ちを自分のかわりに表現してくれるリリック。
抱えきれない想いを、彼のもとに運んでくれるメロディ🎶
透明な水みたいに光を映してきらきら輝く声。
自分のためにこの歌があるんだって思うぐらい、寄り添って
くれる最高の曲✨
きっとみんなにも、そんな歌と出会った経験があるはず!!
今でも忘れらない。
初恋の人は、ギターとピアノと歌がすごく上手で、よく弾き語り
をしてくれた🎸
彼の部屋に行くといつも大好きな曲を弾いてくれて、真剣に
歌う横顔を見ると心が震えて、ますます好きになった!!
最初に書いたあたしの恋のテーマソングを最初に贈ってくれたのは、
彼だった。
でもその人はすごく無口で、おしゃべりで自分を表現するのは苦手
だったんだ。
一緒に映画を見たあといつも考え込んで、「どう感じたか、気持ち
がうまく言えない」って悩んでた。
そんなこと、気にしなくてもいいのに。
音楽でこんなに気持ちをうまく表現できるなら、話し上手じゃ
なくたっていい。
ただ歌ってくれればいい。あたしはそう思ってた。
でも、彼にとっては、そうじゃなかった。
それは彼のすごく大きなコンプレックスで、たくさんそのことで傷つい
てたんだってあとで知った。
あたしも本当は人見知りで、言葉がすらすら出てくるタイプじゃないけど、
でも、好きだから彼がどんな気持ちか聞きたくて、つい「どう思う?」
って聞いてしまう。
「あたしのことをどう思ってるか、ちゃんと言って」
「何を考えてるか分からなければ、これからどうすればいいか分からない」
そんな2人の間には、いつも少しだけ見えない溝があった。
もしあの時、あたしがそんな彼の気持ちを、もっと深く理解してあげれば
れば、彼と別れることはなかったのもかもしれない。
誰かにとってはピアノを弾くことが、
誰かにとっては歌うことが、
誰かにとっては詩を描くことが、
言葉の代わりなのに、
自分と同じ方法で気持ちを伝えてくれないことがもどかしくて、
時々、いじわるな気持ちになってしまう。
あたしが彼を好きだったのは、歌とギターとピアノが上手で
歌に心をのせてうたうその真剣な横顔に、感動したから。
なのに、いつのまにかもっと欲張りになって、彼が苦手な方法で
気持ちを表現してほしいって願ってしまった。
人はどこまでも我儘になる。
自分の相手の違いを受入れることが恋愛なのに、もっとひとつになりたい、
ぜんぶ知りたい、としか考えられなくなる。
雪と氷の国でしか生きられない美しい純白の獣を、灼熱の国に連れて来たら
死んでしまう
真夜中にしか咲かない奇跡の青い花を、朝に咲かせることはできない。
星は暗い闇の中だから、金銀青青の宝石のように光る。
自分が求めていたものの美しさを見失うと、好きな心まで見失ってしまうよね。
闇の深さと、光の輝き。
音楽と、恋。
ずっとそんな小説を書きたいと思ってた。
何よりも大切な想いだから、最高の形にしたくて。
きっと彼は今も、時々、ギターをつま弾きながら歌ってるんだと思う。
言葉にはできない幾千もの想いを、いちばん好きなあの曲に託して。
もし好きな人に想いをうまく表現できなかったら、
好きな曲を口ずさんで、微笑んで、
この曲知ってる?
って言えばいい。
きっと、言葉よりずっとうまく気持ちが伝わる。
その歌はきっと、誰かに捧げた最高のLove Songだから。