メモリアルな9月27日に思うこと

9月27日。

特別な日があと少しで訪れようとしてる。

あまりにも短くて長かった1年。

ふっと無意識に空を見上げたり、花を見たり、映画のポスターやテレビの番宣を見たり・・・。

いろんな瞬間に結子ちゃんのことを思い出して、あっ、もうこっち側から旅だったんだ、と思うことが辛くて、しば

らく何も手につかなくなる・・・そんな繰り返し。

昨日も「いま、会いにゆきます」を見返して、途中から涙が止まらなくなった。

もちろん、映画そのものの夫婦愛、親子愛の深さに感動した部分も大きいんだけど、記憶を無くしたミオが少しずつ

大切な感情を取り戻していく結子ちゃんの演技・・・。脚本を読み込むその深さ、繊細さが、いつの間にか結子ちゃ

んそのものに見えて、またいろんなことを思い出してた。

最初に出会った「イノセント・ワールド」の現場でも同じことを思った、

そしてその後の結子ちゃんの作品を見るたびに感じた。

見るものを釘付けにする素晴らしい天才的な演技と、圧倒的な透明感。

でもどの役でも結子ちゃんは強さ、勇気、優しさ、ピュア、ひたむきさ・・・1人の人間として持ってるものを足した

り引いたり飾ったり誤魔化したりしない。

だからその役が脚本に書かれた設定以上に、暖かくて血の色が深くて感情が鮮やかで、存在そのものに引き込まれて

しまう。

「イノセントワールド」の後、10代から20代に成長していく時も、作品の中の結子ちゃんに、いつもそれを強く感じ

てた。

生命の瑞々しさ、尊さ、母性の小さな芽、理不尽なものへの凛とした怒り、正義感・・・。

ああ、この作品の中で結子ちゃんはきっとこんな愛おしさを、抱きしめたい気持ちを、苦しい切なさを知ったんだな

って。現実と映画は、決してかけ離れたものじゃなくて、ほんの薄膜の裏と表でしかないんだなって。

だから結子ちゃんはきっと演じた役と一緒に10代の儚い、不安定な時期を駆け抜けて、恋をして、大人になって、人

を守れる強さや凛々しさを手に入れてきたんだよね。

そんな本当の意味での「ヒロイン」。

ちょっと前から「シチュエーションラヴ」のノベライズを描き始めた。

自分の人生を「ヒロイン」として生きること・・・光と影が織りなす1人の人間としての丸ごとの心。

ネガティブもポジティブも、何も捨てない。

そんなウソのない真情を糧にして、作品を輝かせる強さを余すことなく描けたらいいな。

そしてもうひとつ、結子ちゃんにもらった一番大切なものをメッセージにしたい。

愛していれば死は別れじゃない。

永遠の別れなんかこない。

自分が生きてる限り、自分を通してその人の喜びや幸せがこの世界に息づいてるって、教えてくれてありがとう。

ひねくれ者の私も、結子ちゃんの真っ直ぐな強さや、凛々しい勇気をたくさん分けてもらえた。

みんなの中にもギフトは届いてる。

そのギフトを開けて、両手で包きしめたら、ずっとその光に生かされていく・・・